積ん読読んどく

読まないと売られてしまう積ん読を読んでいく記録。

「にもかかわらず」学び直す

 

数日前、積ん読を読む記録をはじめた。

最初に取り上げることにした本は読書猿著『独学大全』。

数日も立たないうち、自問がはじまった。

積ん読を読むのはともかく、記録する時間なんてあるのか?

―本の選択は合っていたのか?こんな厚い本を読み通せるのか?

そんなモヤモヤを感じながら『独学大全』を読み始めた私を待っていたのはこんな文章だった。

挫折してもまた性懲りもなく始めてしまうなら、そこにお前さんの独学を動機付ける核があるんだろう。(中略)「にもかかわらず」なところを掘ってみろ。ネガティブな経験にもかかわらず、お前はなぜ学ぶことをあきらめなかったのか? 挫折しても中断しても再開してしまったのはなぜなのか? 何がお前の「にもかかわらず」を支えているのか?

(読書猿著『独学大全』P58-59)

挫折や中断、なんとなくの自然消滅…誰にだって経験があるだろう。自分にも数え切れないほどある。しかし著者はそこではなく、「『にもかかわらず』に目を向けよ」というのだ。

技法1の「学びの動機付けマップ」は、学びのきっかけになった出来事を探して、そこから現在につながる影響を改めて見つけ直すことで、学びの意欲や意志を取り戻すというものである。

別の言葉でこうも書かれている。

意志の強さとは、決して揺るがない心に宿るのではなく、弱い心を持ちながら、そのことに抗い続ける者として自己を紡ぎ出し、織り上げようという繰り返しの中に生まれるのだ。

(読書猿著『独学大全』P68)

 著者のまなざしに勇気づけられて、自らの学びのきっかけを振り返ることができた。

しかし、私はじわじわ一つのことに気づくことになる。

自分が何を学ぶか、まだはっきりしていないということである。読み進めるにつれ一つのテーマに定めるものか、定まらないまま読み通すのか。わからない。

今はわからないまま、続けよう。